具合が悪くて病院に行ったのに、病院で待たされて薬局でも待たされたことはありませんか?
処方せんの薬を用意するだけでどうしてそんなに時間がかかるのか疑問に思ったことがあるのではないでしょうか
薬剤師として働く僕が、お待たせしてしまう理由・調剤室の中で何をやっているか、そして待ち時間を短縮する方法をお伝えします!
処方せんの受付
薬局ではまず処方せんを受付けで渡しますね。
この時に保険証の確認とその薬局を利用したことがなければアンケートを書かされると思います。
保険証の確認
病院やクリニックでも保険証の確認をされたと思いますが、病院やクリニックと調剤薬局は別の医療機関なので、病院やクリニックで保険証を出していても薬局でも保険証を確認する必要があります。
これは保険証の番号や氏名などの確認と割合負担などを確認しています。
また簡単に薬の在庫があるかどうかも簡単に判断しています。
受付では番号札を渡されたり、ジェネリック医薬品への変更の有無などを聞かれると思います。
お薬手帳の有無も聞かれると思いますね。
お薬手帳は今飲んでいる薬や前に飲んでいた薬の情報が載っているので、お持ちであればぜひ出していただきたいです。
手帳の内容と処方されている薬との飲み合わせや疾患を薬剤師が把握できるので、お薬手帳はお持ちいただくと有用な情報源になります。
アンケート
初めてその薬局を利用する場合はアンケートをお願いされると思います。
アンケートには氏名や年齢、住所や電話番号の連絡先、今までにかかった病気や他に飲んでいる薬、アレルギーの有無などの欄があります。
処方せんで処方されている薬と過去の病気やアレルギーなどを照らし合わせるので、面倒だとは思いますができる限り記載していただきたいです。
土日・祝日の受診では夜間・休日等加算がかかることがあります。その記事はこちら

処方せんのパソコンへの入力
処方せんを受け付けるとパソコンへの処方せんの内容を入力していきます。
今までその薬局を利用したことのある人は履歴があるので、薬の内容を入力するだけで済みます。
ですが、初めて利用した人は名前や生年月日、保険証の番号などを入力しないといけないのでいつも利用している方に比べると少し時間がかかります。
あとは遠くの病院からでた処方せんだと病院の登録をしないといけないのでそういった場合も少し時間がかかります。
薬のピッキング(薬の用意)
パソコンへの入力が終わると薬の用意を始めます。
薬の用意をするのは事務さんの場合もあれば薬剤師が用意している場合もあります。また、薬局によってはパソコンへの入力と薬のピッキングを同時進行しているところもあるようです。
この時に用意される薬は薬局の在庫や、先生の処方せんの書き方などでメーカーの違いはありますが、成分は処方せんに書かれているものと同じものが用意されます。
みなさんもご存じの通り、医療費が財政を圧迫してきており、全国でジェネリック薬の使用が勧められています。
粉・シロップ・塗り薬などは少し時間がかかる
粉・シロップ・塗り薬は薬剤師が用意します。
粉は重さを測って、分包機で分包する必要があります。
シロップも量を測り取り、時には混ぜる必要があります。
塗り薬は混ぜない場合もありますが、混ぜるものだった場合は均一に混ぜる必要があるので通常の飲み薬に比べるとやはり少し時間がかかります。
今では薬をセットすると遠心分離の仕組みを応用して自動で混ぜてくれる機械もありますが、全ての薬局にあるわけではありません。
粉やシロップは子供の処方の場合が多く、子供の薬は少し時間がかかります。
そもそもなぜ子供の処方は粉やシロップで出るのかという話ですが、子供の薬が粉やシロップで出るのは、体重や年齢に合わせて医師が量を調節するからです。
そのため薬局でも子供の体重を聞かれることがあると思います。それは薬剤師が処方せんに記載されている量と体重や年齢を確認して先生が処方している量が妥当かきちんと確認しているからです。
粉が飲めない子にはおすすめ。砂糖などを使っていないのが良いところです。
監査
薬剤師が処方せんの内容と、用意されている薬がきちんと合っているか確認する作業が「監査」です。
薬の成分や量、錠数、日数や飲み方や使い方、いつも飲んでいる薬との相互作用なども確認します。
年齢や性別、服用量は妥当か、どうして処方されているのか等、ここには書ききれない程のことを確認します。
ですが、この時の確認作業は薬剤師の頭の中で終わってしまうことが多いため、周りからみるとただ薬を確認しているだけに見えるかもしれません。
ピッキングで薬を用意した人と監査の人は分けることが多いです。
これは複数人の目を通すことで間違いや勘違いを防ぐためです。一人で確認しただけでは見逃してしまうかもしれないミスを複数人で確認し少しでもリスクを減らそうとしています。
薬を早く用意するために、確認の時間を削り早く用意することは多少はできますが、その分リスクがあがります。
間違えてしまえば生死にかかわる薬もありますし、裁判になってしまうこともあります。きちんと時間をかけて確認するのは、患者さんの安全・安心のためと薬剤師自身を守るためでもあります。
薬の説明・お会計
監査が終わると名前か番号で呼ばれると思います。
薬の説明では症状や検査値を聞かれることがありますよね。いつも同じ薬だと特に変わりもないため、答えるのが億劫だという気持ちもわかります。
実際に「いつもの薬だから説明いらないよ、お会計いくら?」という患者さんもいますね。
薬剤師は「処方されている薬の効果」と「患者さんの症状」が合っているのか確認します。
血圧や他のことをきかれることもあると思います。無駄なことを聞いているわけではなく、副作用が出ていないか、薬の効果は出ているのか等を話の中から判断して薬歴(先生のカルテのようなもの)に残すためです。
薬剤師がコミュニケーション力をつけなければいけない部分ですが、もう少し上手く聞き取れるようなスキルを身に付けなければいけないのかもしれません。
興味本位で聞いているわけではなく、仕事して確認すう必要があるので患者さんが安心・安全に薬を服用するために確認しています。
待ち時間を短くするためにできること
薬局内での流れを見てきましたが、待ち時間を短くするには何ができるのでしょうか?
手軽にできることは3つあります。1つずつ見ていきましょう
薬局が混んでいないときに行く
他の患者さんの多くいる時間帯に行くとやはり待たされてしまう可能性が高くなります。
なので薬局が比較的空いている時間に処方せんを持っていくといいと思います。
どこの薬局でも午前と午後のピークがあるので、僕のおすすめは午後の2時頃です。
午後の2時頃であれば午前のピークも終わり、午後のピークが来る前の時間がちょうど2時くらいです。
薬局によって多少の時間の前後はありますが、それくらいの時間は割と空いています。
FAXで事前に送っておく
クリニックでお願いするといつも行く薬局にFAXを送ってくれるところもあります。
クリニックや病院で送ってもらえなければ自宅やコンビニでも送れます。
しかしFAXできたものは後回しにされてしまうこともあるので、FAXをしたのち電話で何時頃取りに行きますと伝えておくことをおすすめします。
FAXがきただけでは本当に処方せんの原本を持ってきてくれるのか薬局としても少し不安ですから、電話があることで必ず行くという意思表示にもなります。
FAXで送る場合は注意していただきたい点が1つあります。
処方せんの期限は処方された日を含め4日間なので、FAXを送っておいても期限内に薬局に原本を持っていく必要があります。
なのでなるべく早めに取りに行きましょう!
アプリを使う
薬局によってはスマホなどのアプリを用意している薬局もあります。
アプリの登録が必要ですが、電子お薬手帳の機能を備えていたり、家族全員の薬を管理出来たりととても便利なので、いつも利用する薬局が取り扱っているのであればそれを利用するのも一つの手です。
やはりFAXと同じように処方せんの期限内に処方せんの原本を持っていく必要がありますが、スマホは常に持っていると思うので使い始めると意外と便利です。

↑ E-PARKではスマホで送信することができます。対応している薬局も多いのでぜひ一度試してみてください
まとめ
「受付」→「入力」→「ピッキング」→「監査」→「薬の説明・お会計」の手順があります。
粉やシロップは測り取るため通常より少し時間がかかります。
色々なことを聞かれるのは薬の効果や副作用の有無などを確認しています。
どうしても患者さまが重なると待ち時間が増えてしまいます。
なので時間を有効に使いたい方はFAXや空いている時間を狙って薬局に行ってみてください!



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