薬剤師として働く僕が薬学部の6年間を振り返り、しておいた方がよかったことや逆にしなくてもよかったことをお伝えしたいと思います。
薬学部を受験しようと思っている高校生、薬学部の大学生に、そしてその保護者の方に。
薬学部の6年間のおおよそのスケジュールと、今だからお伝えできる気を付けたほうがいいことを紹介します。
入学~4年生
入学から4年生までは講義と実習がメインになります。
座学による講義が午前中にあり、午後は実験や実習というスケジュールが続きます。
1年生
1年生では実験などは始まらないことが多く、教養科目の英語や第二外国語、化学、生物、物理や数学、基礎になることを学びます。
まだ講義がメインなのでアルバイト可能かと思います。
大学受験であまり勉強しなかった方はここで生物、化学、物理、数学はしっかり学びなおしておくことをおすすめします。
薬学は生物と化学を理解していないときちんと理解することは難しいです。
また、学年が上がってくると基本的な計算はできることが前提で進んでいきますし、国家試験にも計算問題は数多く出題されるので数学の苦手意識もなくしましょう。
濃度の計算や%の計算、指数対数は必須です。
2~4年生
本格的に薬学の講義が始まるのは2年生くらいからです。
薬理や病態が始まり、テスト勉強は一夜漬けでは不可能です。講義中からしっかり理解し、家に帰って復習する習慣がないとつらいかもしれません。
また実験が始まるので、講義のあとの午後は4~5時間は当たり前のように拘束されます。実験の予習や復習、実験データのまとめなどもあるので少しずつアルバイトの時間や遊ぶ時間は減らさざるを得ないです。
この時期の講義をしっかり理解し、知識を蓄えたかでその後の苦労度が変わります。
毎日の講義をきちんと理解し、しっかり復習しましょう。
大学の図書館には国家試験の過去問があると思うので、習った講義の分野の過去問を解くことをおすすめします。
教授の中には過去問からしか問題を出さないという教授も多いので、今後のCBTと国家試験のためにも少しずつ国家試験の過去問に手を付けることをおすすめします。

OSCE・CBT
4年生の最後の方にはOSCEとCBTと呼ばれる試験があります。
5年生には病院と薬局に実習にいくのですが、実習先は実際の現場なので現場にだしても問題ないように最低限のことはできるようにしていきます。
基本的な知識と実際の現場で調剤をできるように、処方せんの読み方や軟膏・シロップ・粉の計量調剤を学びます。
OSCE
OSCE(オスキー)は実技の試験です。
軟膏の計量混合と軟膏ツボへ充の填、水剤と呼ばれるシロップの計量混合、注射器を利用した混合などの実技の試験です。
また模擬患者を使った服薬指導などもあります。模擬患者さんは地域の方がボランティアで参加してくれたりします。
OSCEを行う前に4年生の後期にOSCE用の実習があります。
実習で細かい部分までしっかりと教わるので、OSCE自体は特に怖がる必要はないと思います。
同級生の中には針を指にさしてしまって、出血しそこで試験終了になった人もいますが、基本的には冷静に行えば難しいものではありません。
CBT
OSCEは実技の試験ですが、CBT(シービーティー)は筆記の試験です。
コンピューターベースドテストの頭文字をとったものです。試験はパソコンで行われ、サーバーに貯められた問題の中から無作為に問題が出てくるため、試験の内容を予測することは難しく全ての範囲をしっかり学ぶことが求められます。
CBTは4択から一つを選ぶ方式です。
幅広い知識を身に着けることも必要ですが、聞かれるポイントというのは決まっているのと、4択問題なのでわからなかった時にどこまで確率を上げることができるかが勝負になります。
なので4択ある選択肢の中からいかに選択肢を絞り「4択→2択」程度に選択肢を絞り込めるかが鍵になります。全てわからなければ正解する確率は25%ですが、2択まで絞ることが出来れば50%にまで確率が上がりますからね。
国家試験に比べれば難易度は低いですが、しっかり勉強する必要があります。4年生からは本当に勉強することが増えるので、バイトができるのは頑張っても3年生までかなと思います。
5年生は病院と薬局に実習
5年生は病院と調剤薬局に約3か月ずつ実習に行きます。
どの時期に実習に行くかは希望を出せると思うのですが、個人的には1期と2期に実習に行ってしまうことをおすすめします。
というのも6年生になると一気に国家試験の勉強モードに入るので、1期2期で実習に行ってしまえば6年生になる数か月前から国家試験の勉強を行うことができます。
また就職活動のことも考えなければいけませんね。
企業に就職したいのか、病院に行きたいのか、大学院に進むのか、調剤薬局やドラッグストアに就職するのかしっかり考えましょう。

調剤薬局の基本的な流れも説明しているので、参考程度にどうぞ

土曜の午後や日曜祝日は加算がかかります。実習に行く前にこちらも参考程度に読んでみていください。
6年生は国家試験への勉強漬け
6年生になると国家試験の勉強漬けになります。6年間で学んだことのほとんどが出題範囲なので、膨大な量を覚えなければいけません。
国家試験用の参考書が各予備校から出ていて、1冊が10cm近い厚さの参考書が10冊以上あるんです。また国家試験に落ちる人も結構いるので、薬剤師国家試験用の予備校があるほどです。
講義を含めて国家試験の勉強を1日10~12時間くらいはしていましたね。
大学受験でも相当勉強しましたが、今思えば大学受験より国家試験の方がよっぽど勉強しましたよ。
卒業試験
薬剤師国家試験の受験資格は基本的に6年制の薬学部を卒業することで国家試験の受験資格が得られます。
大学側も国家試験の合格率を上げたいので、国家試験に合格できなさそうな学力の学生は卒業させないことがあります。
なので、国家試験を受ける前に大学の卒業試験に受からなければいけません。
出題範囲や内容は国家試験に準じると思います。国家試験の勉強を一生懸命勉強すれば受かる内容になっていますが、国家試験に落ちるであろう点数しか取れない学生は容赦なく切り捨てられます。
ここで卒業試験に受からないと国家試験を受けることができないため、その次の年の国家試験を受けることになってしまいます。更に1年間勉強を続けていくことは精神的にもきついですから、しっかり勉強し卒業してしまいましょう!

薬剤師国家試験
卒業することができると薬剤師国家試験を受験することができます。
卒業試験をパスし、きちんと勉強を続けてきた方であれば自信をもって臨んでください。
これだけやったんだから大丈夫!と思えるくらい勉強した方はきっと大丈夫。国家試験に関しては努力は裏切りません。
体調を整え2日間で学んできたこと全てを出し切ってください!
薬剤師国家試験に合格することができればいよいよ社会人です!
長くつらい学生生活を乗り越え、薬剤師になれた人はすごいですよ。途中で諦めてしまった友人もいるはずです。
諦めずに薬剤師になれたことを誇りに思っていいと思います。
いらなくなった教科書はどうする?
使わなくなった教科書ってどうします?捨てる?とっておく?
薬学部で必要になる教科書は1冊1冊が高価なことが多く、せっかく買ったのを捨てるのももったいないと思ってしまいますよね。
ビニール紐でまとめて捨てるのも重いし量があるしで大変です。
そんなときはお金に換えてしまうのはいかがでしょうか?
専門書はブックオフなのでは基本的に買い取ってもらえません。ですがそういった専門書の買い取りを専門に行っている業者があり、不要になった教科書を買い取ってもらえるのをご存じでしょうか?
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また査定の早いものでは最短で到着翌日から3営業日以内に買取代金のお支払いまで完了します。捨ててしまうよりは買い取ってもらったほうがお得ですよね。
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箱に詰めて送るだけですから、もしご自身で捨てるのが面倒ならぜひのぞいてみてください。

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